ウルマス•シサスク
銀河巡礼〜赤道の星空 狼と蝶
URMAS SISASK:Starry Sky Cycle No.4 Equatorial Sky Wolf & Butterfly
Op.155
《銀河巡礼〜赤道の星空》は「狼と蝶」として二人の日本人ピアニスト、秋場敬浩と吉岡裕子に献呈された異色の作品。88星座すべてを一望できる地から選ばれた星座に、作曲者編纂によるギリシャ、ヒッタイト、アフリカ、中国、パプアニューギニア、ネイティブ•アメリカンの神話や星界物語が付随。時を超えて天•地•人、すべてが繋がるシサスク渾身の傑作!
Piano:吉岡裕子 Yuko Yoshioka
2020年9月9日
YSOK -2003
CDBaby.Com/Indys
Total Time 77:45
税込 2,200円
Track List
1. ほうおう座「動揺する蝶」
2. ろ座「色彩の神秘」
3. ちょうこくしつ座「眠れる美」
4. ちょうこくぐ座「寺院への旅」
5. ぼうえんきょう座「優しいタッチ」
6. けんびきょう座「優しい応え」
7. ろくぶんぎ座「陽気な狼」
8. ポンプ座「強さを増して」
9. てんびん座「ティンタブルの触手」
10. さそり座「・・・威力」
11. おおかみ座「狼にとっての蝶」
12. やぎ座「うぬぼれ狼」
13. コップ座「クララの爪」
14. がか座「ちょっとロマンチックに
15. たて座「鋭い剣」(トッカータ)
16. みなみのうお座「孤独に漂って
17. うお座「悟りを得て」(星空への賛歌)
18. らしんばん座「夢見る者の幻影
19. じょうぎ座「クイッティ・フイッティ」
20. つる座「忍び寄る狼」
21. みなみのかんむり座「魔法の真珠
22. いて座「さらなる未来へ」
1 Phoenix - Disquiet Butterfly
2 Fornax - Mystery of Colors
3 Sculptor - The Sleeping Beauty
4 Caelum - Journey to the Temple
5 Telescopium - Gentle Touch
6 Microscopium - Gentle Answer
7 Sextans - A Jolly Wolf
8 Antlia - Increasing the Power
9 Libra - Tintabul Tentacles(Scorpion’s Mouthparts)
10 Scorpius - ...Force
11 Lupus - A Butterfly for a Wolf
12 Capricornus - A Vain Wolf
13 Crater - Klara’s Pow
14 Pictor - A Little Romantic
15 Scutum - A Sharp Sword (Toccata)
16 Piscis Austrinus - Drifting alone
17 Pisces - Got Enlightened (Anthem to the Starry Sky)
18 Pyxis - A Dreamer’s Visions
19 Norma - Kuijti-Huijti (Life beyond Pleiades)
20 Grus - The Creeping Wolf
21 Corona Australis - The Magic of Pearls
22 Sagittarius - Forward to the Future
制作:有限会社オアシス
ディレクター:金森祥之
レコーディング・エンジニア:飯嶋慶太郎
マスタリング・エンジニア:田中三一
技術協力:風間 萌
使用ピアノ:ヤマハ C7
調律:望月 治
カバー写真:トゥンチ・テゼル
写真:金森祥之
レイアウト:千葉綾子
エストニア語翻訳協力:小玉ウーラ
解説・星図:吉岡裕子
録音日:2020年3月27日、28日
録音場所:Oasis studio home
演奏者より
2020年3月8日は《銀河巡礼》の最終曲集である「北極の星空」日本初演の日でした。ところが新型コロナウイルスによる自粛が始まり、開催を断念。延期日を決められない中で、できることはないかと考えたのが、今回の「赤道の星空」のレコーディングでした。以前の私なら、体力的にも厳しいこの作品の演奏をレコーディングするなどという気にはならなかったと思うのですが、どういうわけか積極的になり、宣言してから「しまった!」とも思ったのでした。でも勢いは時には大切なようです。
3月27、28日にレコーディングしたCDのマスタリングは、コロナ自粛の影響で7月にずれ込み、リリースを9月9日と決めました。2020年9月9日はシサスク氏の60歳の誕生日でもあります。2005年にエストニアのヤネダにて、初めて彼と出会ってから15年。今度、再会が果たされるなら、2015年春の彼の初来日以来5年ぶりです。この5年の間に、「赤道の星空」(2016)、「北極の星空」(2018)を完成、全天88星座を網羅する彼のライフワーク《銀河巡礼》が完結しました。「赤道の星空」を書いてくださったシサスク氏への感謝と敬意とともに、このCDを贈りたいと思います。
今回のアルバムは(有)オアシスさんのスタジオhomeにてYAMAHA C7を使用し収録しました。マスタリングエンジニアは、この業界における神のような存在といわれる田中三一氏。光栄なことにマスタリングのみならず、収録までお世話になりました。収録では田中氏自作による独自のマイクを使用。床面に設置した2つのマイクは全体を、ピアノの近くの2つのマイクは細やかなタッチを捉え、クリアで豊かな響きがつくり出されました。スタジオというデッドな空間のため、このピアノの持つ響きの特徴を生かすようなリヴァーブをほんの少しだけミックス時に加えたとのことです。マスタリングには私も立ち合わせていただき、シサスクの音楽について田中さんとディスカッションしながらイメージを膨らませました。最高級のスピーカーから聞こえてくるシサスクの音楽は宇宙に吸い込まれていくかのようで、この作品の素晴らしさを改めて実感できました。
ライナーノーツ執筆はこれまでになく苦戦しましたが、《銀河巡礼》シリーズの中でこの作品だけに付けられた「狼と蝶」というサブタイトル、そして独特な構成についてなどの情報をしっかり残しておきたく、限られた紙面では足りなかったのですが、知人の協力も得て、なんとか良いものになったと思います。
ブックレットには解説、物語の要約のほか、この作品についての作曲者自身による紹介(英訳付き)、そして「南半球の星空」同様、赤道の星図も掲載しています。ジャケット写真(表裏)にはトルコの写真家トゥンチ•テゼル Tunç Tezel 氏の素晴らしい写真をお借りしました。表の写真は南半球の太平洋、クック諸島最南端にあるマンガイアの星空で、いて座とさそり座に向かう天の川銀河の中心、αケンタウリとβケンタウリの明るい星、みなみじゅうじ座、およびコールサックの暗い星雲が写っています。裏の写真はアイザノイ遺跡です。2世紀頃のローマの遺跡で、現在はトルコのアナトリア西部にあるチャブダルヒサール村に点在しています。ここにはカシオペヤ座からはくちょう座への天の川が写っています。
ブックレットの裏表紙には誰かさんが天体望遠鏡を覗く写真が(金森祥之氏撮影)、CD盤を外した面には、シサスク氏が書いてくれた「蝶」のテーマに繋がる小品の写真を載せています。
いろいろな角度から、作品を楽しんでいただけたら幸いです。
試聴
こちらで各曲の一部をご試聴頂けます。
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2021年1月11日発売開始!